후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
……ただし今夜は貴殿におかれては、順直にお屋敷へお帰りなされ。そうして今夜の行動を、とっくりとご自分にお考えなされ」子供に対する大人のように、物優しく紋也はこういったが、静かに先へ足を運んだ。
往来の上へ黒々と引かれた、二人の武士の影法師が、少しばかり長く延びたのは、月の傾いた証拠でもあろう。そういう影法師を供に連れて、二人は先へゆるゆると歩いた。片側町の家並みは、例によって静寂を保っていたが、反対側の神田川では、目覚めた鴎でも羽搏いたのであろう、バタバタという物音がした。しかし路上には人影はなくてこれも静寂を保っていた。
二人は先へ歩いて行く。歩きながら繰り返し繰り返して、左内はつぶやきを洩らすのであった。「今夜は俺には不思議な晩だ。何かを夢中でしたらしい」
そういう左内のつぶやきの声を紋也は耳に止めはしたが、合槌を打とうとはしなかった。しかし心では考えていた。「豪奢をきわめた女乗り物、その中にいた芳香を持った女、乗り物を取り巻いていた男女の供人、そうして裏塀の切り戸口から、転がし出された若い男の死骸、その男の死骸を運んで行った、覆面をした数人の武士。