후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
「さればさ」紋也は嘲るようにしたが、「裏切る心よ! ……伝わっておろうよ!」
「裏切る心! ふふんばかな!」こうはいったものの桃ノ井兵馬はいよいよ不安に堪えないようであった。
と、そういう兵馬の心を、早くも紋也は見抜いたらしく、紋也のすがすがしい性質としては、少しく大人気ないほどにも、突っ込んだ調子で繰り返した。
「美作殿と左内殿との、父子の関係は別なものとして、親や子は万事が似ているものと見えます。心も似るでござりましょうよ」
で、相手の返辞を待った。
紋也の言葉は兵馬に痛いもののように思われた。ブルッと一つ身顫いをしたが、噛みつきたげの兇猛の眼つきで、紋也の顔を見上げ見下ろした。
「なるほど」と突然に兵馬はいったがその声は憤懣に満たされていた。「裏切る心が拙者にあると、こう貴殿にはいわれる気か!」相手の言葉の出よう一つで、すぐにでも切ろうとでもいうように、柄頭を拳でトントンと打った。と、目貫の象篏が、黄金無垢でできていたのでもあろう。陽をはねてキラキラと輝いた。
「さようさ」と紋也はうそぶくようにいったが、これもいつしか右の掌を、刀の柄へ掛けていた。