후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
五間あまりのかなたにあたって、桐の木が一本立っていたが茶色がかった花の蕾が、空へ向かって群れ立っていた。相当に年を経た桐の木と見えて、幹などは太く頑丈であって、茶緑の鎧でも着ているようであったが、その前に丈の高い八手の木があって、その広い葉で桐の木の幹の、下半分を蔽うていた。
と、その八手の群葉をくぐって、銀の線が奥へ流れて行く、日の光を貫いた吹き針の針で、五間の空間を一直線に飛んで、空にあるうちは燦々と輝き、八手の葉の蔭に流れ込むや、葉と葉とでできている陰影に溺れて、瞬間光を消してしまった。
ゆっくりと十は数えられなかったであろう、それほどにもわずかな時間の間に、鈴江は見事に五十本の針を綺麗にすっかり吹いてしまった。と小走りに走って行って、八手の木の前へ立ったかと思うと、群葉を上へかかげるようにしたが、
「お菊様ご覧なさりませ。ここに桐の木の枝折れの痕が、瘤のようにできておりましょう。一ツ目小僧の眼のようで。これを狙ったのでございますよ。この眼のような瘤の周囲に、五十本の針が一本残らずこの通り真っ直ぐに突き刺さっております。……すべて吹き針と申しますものは、眼とか眉間とかいうような急所を狙って吹きつけるのが、大切の業とされております。