후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
「賭場の手入れ?」「……いや変な奴が歩きまわっているのだ」「うそうそ家のまわりをまわっている」「あそこの露路には五人いた」「あそこの空地には十人いた」――などといったようなささやき声などが、ささやかれてもいるのであった。「捕り物かな?」「そうかもしれない」「だが風態がそれらしくないよ」――などという声も聞こえなされた。「なんだか知らないが気味が悪いよ」「よくないことが起こりそうだ」「怪我をしないうちに引き上げよう」――という声なども聞こえるのであった。
何が戸外では起こっているのであろう?
あの目明しの代官松が、兄弟分と乾分とを率いて、水戸様石置き場の空屋敷へ、焼き討ちをかけて、混乱させて、ドサクサまぎれに山県紋也や、同志の者を片付けようとして、入り込んで来たに過ぎないのであった。
水戸様石置き場の空屋敷というのは、一方は隅田の川に面し、反対の側は寺院通りに面し、いうところの鰻の寝所のような、南北に長い空地であって、北のはずれには一ツ目橋があって、渡れば相生町や尾上河岸へ出られ、南のはずれを少し行けば、有名な幕府のお舟蔵となる。そういう空地へ貧民窟のような、穢らしい小家がゴチャゴチャと立ち、狭い露路が無数に通っているかと思うと、草の生えた小広い空地などが、随所にできていたりした。