후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
これはどうやら美作にとっては、意外の意外であるらしかった。接近しようとして踏み出した足を、釘づけにして突っ立ったが、
「姫君には何を仰せられる。お屋敷へ参上いたすごとに、お目にかかっているではござりませぬか、ましてこのごろでは伜の左内の事で……」しかし美作にはいい切れなかった。重なった激情的の出来事のために、気絶をしたらしい小次郎の体の肩のあたりへ腕を巻いて、小次郎の片頬へ自分の片頬を重たそうにのせた姫君姿の女が、美作の言葉など聞こうともせず、美作のほうなど見ようともせず、いよいよ赤味を加えて来た火事の遠照りの空の一所に、張りつけたようにかかっている銅色の月へ眼をやり、例の他界的の響きのある声で、あこがれるように歌うように、
「……大森林がうねっているよ。大きな滝が落ちているよ。古沼に蛟が泳いでいるよ。ご覧よ、豹を追っかけて裸体の人間が走って行くから。おおとうとう追い付いた。口へ手を掛けて引き裂いてしまった……ごらんよ、裸体の人間たちが大きな大きな歯朶の蔭へ、獣皮の天幕を張ったから。篝火が幾つとなく燃えているよ。照らされているのは何だろう? 弓だよ、矢だよ、石器だよ。