후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
それにしても金兵衛には不思議でならなかった。「眠りこけている穢ならしい、この老人の膝の前に、置かれてある以上はこの二品は、この老人が所持していたものと解釈してもよさそうだ。この老人は何者なのであろう? どうして持っているのであろう?」
――が、老人を前に据えて、ゆるゆる考えていたのではなくて、瞬間にそのように思ったまでであった。右手に抜き身を持っていたので、金兵衛は左の手をのばすと、すでに持っていた巻き奉書と、一束にして綴じ紙を、ギュッとばかりにひっつかんだ。が、そのとたんに何者かが、金兵衛の左手を打つ者があった。
「あッ」と金兵衛は声を上げたがもうその時には二つの品は、他人の手によって持たれていた。
「賊め!」と叫んで金兵衛の前へ立ち上がったのは泉嘉門であったが、二品はその手に持たれていた。
「これはある人からの預かり物じゃ! 何をなされる! 奪うことはならぬよ!」
金兵衛迫る
一流に秀でた名人には、隙というのはないという。泉嘉門においては、したたかに酔ってはいたけれども、また眠ってはいたけれども、預かり物の二つの品を奪い取られようとした時に、一種の感覚で知ったのでもあろう。