후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
腰をかがめるなり手を下げるなり、ひざまずくなりすべきものだ! それをなんぞや血に濡れた抜き身を、臆面もなく差しつけおる! 抜き身を捨てろ! これを捨てろ!」――いいいい嘉門は背後のほうへ、一歩一歩小刻みに下がった。と、嘉門の正面に、小長い物が差し出されて、それが月光に白々と浮いて、差し付けられている抜き身の切っ先を、迎えるように上下へ動いた。武道には全く門外漢の、お狂言師の嘉門ではあったが、こういう場合にはおのずからに、こういう姿勢を取るものと見えて、綴じ紙と一緒に右の手に、握り持っていた巻き奉書を、剣道でのいわば平青眼の形に、グッと前のほうへ差し出して、金兵衛が差しつけている血に濡れた抜き身に、ヒタとばかりに向かい合わせたのであった。
「抜き身?」と金兵衛は不思議そうにいったが、「あッ、いかさま、これはこれは、抜き身を差しつけておりましたなあ」こういうとはじめて気付いたように、――事実はじめて気がついたのでもあるが――ヒョイと抜き身を左の脇腹の、袖の下へ隠すように押し隠した。「これでよろしゅうございますかな?」――で、グッと眼を据えて、眼の前の空間に浮かんでいる、巻き奉書を凝視した。