후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
「さようさ、うむ、それでよろしい」
こういいながらまたもや背後へ、ソロリと嘉門は引き下がった。で、二人の間隔は、相当の開きを持って来た。
と、嘉門はいかめしくいった。
「これ、そこな人よ、よくお聞き、お前さんはこの二品について、たった今しがた恐ろしいほどの、話を話してくだされた。聞けば聞くほどこの二品は、重大な値打ちのある品物らしい。ところでお前さんも今いったように、この二品は私の物ではなくて、若い女子から預けられた品じゃ。もしこの二品が値打ちのない、つまらない品であろうなら、私はお前さんへ渡したかもしれない。ところがそうではなさそうだ。……で、はっきりといっておく! この品物はお前さんへは渡さぬ! 預け主を探し出してお返しする! ……恨むならこの品の重大な値打ちを、私に精々教えてくれた、お前さんの口を恨むがよい」こういって来て泉嘉門は、嘲るように笑ったが、クルリと金兵衛へ背を向けると、一散に走って逃げ出した。
しかしその次の瞬間に、嘉門は意外な言葉を聞いた。
「待て! 爺! 待て! 泥棒!」
「なに、泥棒! こやつ、無礼!」で、裏門は振り返った。「賊は汝じゃ! 猛々しい奴め! ……場合によっては大音を上げて、町の人々を起こすぞよ!」