후리가나로 읽는 일본 고전
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
膝を崩してすわってさえいた。水戸様石置き場の空屋敷や、佐久間町の入り口で行なわれた、烈しい戦いに薄手ではあったが、幾箇所か傷を受けたからであった。崩している膝をおおうている、衣裳の裾をかかげたならば、傷を包んでいる白い布を、脛のあたりに見ることができよう。
左手を畳へささえるように突いて、右手をなるたけ動かさないように、膝の上へそっとのせていたが、その右の手のその腕あたりにも、繃帯は結ばれているのであった。島田髷も今は崩されていて、髪は無造作に束ねられていた。燈火を受けている右の頬の、耳の下辺に黒い痣が、大きくむごたらしくできていたが、棍棒などでうたれた痕であろう。
しかし負傷ということになれば、紋也のほうがいちじるしかった。燭台の燈火を横から受けて、しとねの上に仰臥して、その上へ絹夜具を引きかけて、咽喉と顔とを夜具の襟から出して、静まっている紋也から、夜具を取りのけて見たならば、手といわず足といわず胴といわず白布で一面にグルグルと、捲き立てられてあることに、驚かされるに相違ない。水戸様石置き場の空屋敷でこうむったところの傷なのである。
しかしいずれも致命傷ではなくて、ほんの浅い切り傷であり、骨にまで達しない打ち傷であった。