후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면
……子まである仲を引き裂いて、竹之助様をおいだされた。……そのくせはじめはお父様のほうから、婿として竹之助様を望まれたのに。……何がお二人を不和にしたのやら、いまだに妾にはわからない。……不和! 憎しみ! 舅と婿! ……それではもしや竹之助様が?」
この疑いは君江にとっては、悲しくもあれば恐ろしくもあった。
「そんなことがあってよいものか。こんな疑いはやめよう」しかし悲しくも恐ろしい、この疑いは君江の心から消え去ろうとはしなかった。
この間も雨は降りつづいて、柄漏れの滴がいよいよ繁く、武左衛門の死骸へ降りかかる。ふと君江は腕をのばしたが、死骸の懐中へ手を入れた。
「臨終にお父様が仰せられた――渡すな、文書を、懐中の文書を! ――どのような文書があるのやら」で、ソロソロとひき出した。
「たしかにお預かりいたしました。誰にも渡すことではござりませぬ。ご安心なすってくださいまし」自分の懐中へ巻き奉書を、大事そうに手早く納めた時に、町の方角から提灯の火が、点々とこちらへ近寄って来た。
こういう事件の起こったのは、明和六年の晩春初夏の、ようやく初夜へはいったころのことで、所は下谷の車坂から、根岸の里へ下りようとする、上野の山の裾の辺で、人家がとだえて藪畳があったが、その藪畳での出来事である。