일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

国枝 史郎의 娘煙術師(むすめえんじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 267,766자 · 530화면

아오조라 문고

で、この辺は町家町であった。しかもいうところの片側町であった。反対の側は神田川で、今、銀鱗を立てながら、大川のほうへ流れている。下流に橋が見えていたがそれはどうやら和泉橋らしい。とするとここは佐久間町の三丁目にあたっているのかもしれない。

「こんなりっぱな屋敷の中へ、はいって行ったとは不思議でならない、たかが女の煙術師ではないか」たたずんで見ていた若い武士は、今度は声に出してつぶやいたが、いかにも腑に落ちないというようすであった。本郷の往来で煙術を見ていて、うっかり油断をしていたところを女煙術師に印籠をすられた、――その若い武士であった。で、若い武士の思惑としては、たかが安手の芸人である。どこかみすぼらしい露路の奥の、棟割長屋の一軒へでも、はいって行くものと思っていた。しかるにどうやら期待は裏切られて、堂々たる構えのりっぱな屋敷へ女煙術師は入り込んだのである。

で、武士としてはこの事実は、化かされたようにも思われるのであった。

「他人の屋敷へはいったのではない。自分の家へはいったのだ。少なくもあの女の懇意な者の屋敷へはいったということはできる。……スタスタと道を歩いて来て、この屋敷の前まで来て、トン、トン、トンと潜り門を打って、二声三声物をいったかと思うと、すぐに内から潜り門の扉があいて、あの女を内へ入れ