轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たいらのまさかど
平の将門
吉川 英治
「小説公園」六興出版社、1950(昭和25)年新春号~1952(昭和27)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 页
挿し櫛は
十余り七つ
ありしかど
武生ノ掾の
朝に取り、夜さり取り、
取りしかば
挿し櫛もなし
わずかな税物の代りに、髪飾りすら、地方の掾の下吏に持って行かれたと嘆いている土民の妻の顔が目に見えるような謡である。そのうらみを、後々まで、地方の子等は、無心に、謡っていたものとみえる。
が、櫛はおろか、自分たちの露命をつなぐ、何物すらなくなってしまうと、彼らは、最後の手段として、小屋を捨て、郷を捨て、一家離散して、思い思いに、自分の身を、奴隷に、落した。
寺院であれ、官家であれ、豪族の家人であれ、どこでも、力のある所へ、奴婢奴僕として、奉公するのである。そういう、無籍の民には、税は負わせられない。つまり、身をすてて、税の負担から遁れるのであった。
そういう逃散の流民が、将門の豊田郷にも、おびただしく、入りこんで来た。
将門は、追わなかった。むしろ、幸いとして、
「食えない者は、おれと働け、働くところに、飢饉はない」
と、かかえ込んだ。そのため、館の大家族形態は、膨脹するし、郷民は殖える一方であったが、急開拓の火田法なども用いて、およそ二年半、死にもの狂いに、結束して働いた。