轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

「小説公園」六興出版社、1950(昭和25)年新春号~1952(昭和27)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 页

青空文庫

老書家

熱い、充血した面とは反対に、体はさむく、芝の夜露に、身も耐えないほど、がくがくと、ふるえに襲われていた。

老書家

常平太貞盛は、もう誰の眼にも、坂東者とは、見えなかった。父の国香に似て、背もすぐれ、面貌も上品だし、都の知性も、身について、公卿真似の、優雅をつねに忘れない。

身だしなみもいい。執務もまじめである。有為な青年だ――と、たれにも、感心されている。

勤めている蔵人寮に、余暇があると、かれは、小野道風の家へ、書道を習いに通っていた。

道風は、紀貫之などとならんで、当代随一の名筆家といわれて、その道においては、名声ある人だったが、家へたずねてみて驚いたことには、その屋敷のひどい貧乏さであった。――が、考えてみると、かれの官における身分は、少内記にすぎないのである。史生や書記生に、毛が生えただけのものである。

それでいて、年はもう六十をこえ、子が多く、孫もたくさんいる。書斎の板縁は腐っているし、蔀や妻戸もガタガタなのだ。そして、邸内の草茫々たる一隅には、幼児のおむつが干してあったり、幼子が、食物をねだって泣きぬいている声までが――やしきは広いが――何となくつつ抜けに、風も一しょに通っている。