轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

「小説公園」六興出版社、1950(昭和25)年新春号~1952(昭和27)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 页

青空文庫

訴訟文

狂いだした火は果てもなくひろまってゆく。

四隣の噂もようやくこの戦闘にもちきって、一波は万波、あっちも、こっちも、物騒な動揺が兆し始めた。

――と。その頃、赤城山の裾から遠くない阿蘇ノ庄田沼に、東山道の駅路を扼して、館、砦をかまえ、はるかに、坂東の野にあがる戦塵を、冷ややかに見ていた老土豪がある。

この地方の押領使、田原藤太秀郷である。

訴訟文

その頃、坂東地方から京都への往還には、東海道と東山道の二道が動脈となっていた。

東山道は、碓氷を越えて、信濃高原を経て、木曾路へ出るのである。もちろんこの方が日数はかかるが、右馬允貞盛は、途中、訪うべき人もあったので、こんどの帰洛には、東山道をえらんだ。

「折よく、いて下さればよいがな」

貞盛は馬の上から、供の郎従たちへ、何度もいった。

「いや、おられましょうとも。通る駅路で訊いてみても、近頃は田沼の館にひき籠ったきりで、めったに、お旅立ちなど見かけないそうですから」

供のひとり、貞盛の侍臣牛浜忠太がそう答える。

一行は主従十二名、騎馬は貞盛と忠太だけで、ほかは徒歩だった。いや、もう一人、進物の荷を積んだ馬一頭を、小舎人が手綱で曳いて行く。