轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

「小説公園」六興出版社、1950(昭和25)年新春号~1952(昭和27)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 页

青空文庫

怒髪天をつくという形容は火中の彼の形相そのままであったろうと思われる。

何しろ彼はここで死ぬ目にあったわけだが、ただ一つの僥倖があった。それは、毛野べりの乱闘で、兄の姿を見失い、そのため、他へ奔って、弟のうちの将平一人が、この火中にいなかった事である。

将平は、べつな敵を追って、方角ちがいへ駈けていたが、煙を見たので、一散にここへ駈けつけて来た。そして道の障碍物や、火の柴を除いて、部落の中の兄たちを、火中から救い出したのである。

「将平か。あやうく、おれは死ぬところだった。よく来てくれた。おれは生きた」

「どこにも、お負傷は」

「矢傷の二つや三つ、何のことはない。――おれは生きた。弟たち、見ておれ。おれがどうするか」

「――が、兄上。ここは一度、豊田へ引き揚げた方がよろしいでしょう。何といっても、敵は、充分、用意をもって襲っている。こっちは、準備のない戦ですから」

将頼の諫めも、将門の怒りをなだめるには足りなかった。彼は、断じて、このまま、豊田には帰れないといい張り、家人郎党を集めて、一たん兵糧を摂り、その間に、偵察を放って、扶や隆等のいる所を突きとめた。