轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

「小説公園」六興出版社、1950(昭和25)年新春号~1952(昭和27)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 页

青空文庫

数日前から、富士山が爆発したという噂だったが、あれがその煙だろうか。……まるで、雪雲のような灰ではないか」

貞盛は、杯を片手に、ふしぎな天変の相貌を、見上げて、いった。

従者、二人も、

「ごらんなさい。この辺の海まで、何やら、霧のようなものが、立ちこめています」

「や。……杯の酒の上まで、灰が降ってくる。これでは、相模、武蔵などは、灰に埋まってしまうかも知れませんな」

「まさか……」と、笑って、「富士の噴火は、初めてではない。噴くだけのものを噴き上げ、燃えるだけのものを燃やしてしまえば、自ら、熄むだろう」

貞盛は、杯を覗きながら、ひと口に飲みほした。そして今、なにげなく出た自分のことばが、常総平野に大乱を捲き起している将門の猛威を、無意識に、予言したように思った。

「……そうだ。あわてることはない」

飯を噛みながら、彼は、自分へいって聞かしていた。正直のところ、彼は、将門が想像以上、屈しないし、まだ幾らでも、彼への味方が出てくるので、先頃来、あわてていた。

京都へ上っては、政治的工作に奔走し、常陸へ帰っては、国々の郡司や、国庁の役人たちを、説き廻って、

(すでに、中央では、将門の罪をみとめ、将門追捕の令が、発せられている。