轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

「神戸新聞」神戸新聞社、1958(昭和33)年1月9日~9月14日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 257,350 字 · 507 页

青空文庫

ずっと後のことであるが、有名な『河童』という小説は、私の本を読んでから河童のことが書いてみたくなったので、他に種本はないということを彼自身いっていた。

芥川にはじめて会ったのは、彼がもう一人前になり、大分偉くなってからであった。ある時長崎の図書館に行って、あそこにある古い資料を見ていると、今日東京から本を見に来ている人があると館長がいう。誰だろうと思いつつ、書庫に入ってゆくと、向うから二人連れで、ひょろひょろと背の高いのと、背の低いのとがやって来た。「あの人です」と館長が囁くので、お辞儀をしたのが初対面であった。非常に懐しく思って、「あなたは甲寅叢書の読者でしたね」というと、「ええあれは拝見しております」といっていた。

連れの人は菊池寛であった。この二人連れは背の高いのと横に平たいので、そのころ浅草の十二階とその横にあったパノラマにたとえて、「パノラマと凌雲閣」とよくいわれていた。長崎の物持の好事家で永見徳太郎という人の所に泊っているということであった。

それっきり、手紙を貰うことはあっても、会う機会はなかった。ところが昭和二年であったか、芥川が亡くなるちょっと前に、菊池寛が星ヶ岡茶寮に招んでくれたことがある。