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こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

「神戸新聞」神戸新聞社、1958(昭和33)年1月9日~9月14日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 257,350 字 · 507 页

青空文庫

言葉と選挙

比嘉君とは南島談話会を作って、沖縄の諸君ばかりでなく、東京の方の人も、志の合う者が大分混じって、なかなか盛況であった。その間に一度沖縄に帰って、金城朝永君をつれて来た。そして「女官御双紙」というものを写して持ってきてくれたのであった。民俗学を研究している仲間では、沖縄の人では、比嘉君がいちばんふるい仲間である。

最近は「沖縄タイムス」に琉球史を連載しているとかいう話であるが、早く一冊にまとめてもらいたいものである。

言葉と選挙

ふだん使う言葉に、口語と文語のある国は随分多い。今からざっと四十年ほど前、私がジュネーヴに行っておったころには、フランスあたりでもクラシックの教育というものが残っていた。クラシック(古典語)で学問しさえすれば、コモン(普通語)の教育はしなくてもよいといった感じまで見受けられた。

国語というものはもともと口で物をいうことなのに、日本でも、演説になるとたちまち文語調になる。こんなバカげた理屈はない。昔宮崎県の延岡に行ったとき、新聞取次店の亭主が、「今日はこれから町会に行きますんで」という。どんな様子かとついて行ったところ、この亭主が町会議員で、会場に入る途端に、言葉がすっかり変ってしまった。