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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
「神戸新聞」神戸新聞社、1958(昭和33)年1月9日~9月14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 257,350 字 · 507 页
世界苦と孤島苦
日本海と瀬戸内海との文化の重要性を考えて、兵庫県の奮起を望むものである。とくに但馬に関する学問などが、もっと盛んになっていいのではないかと思っている。
世界苦と孤島苦
沖縄の文化には中心があるから、それをはずれると、割引をしなければならぬような喰違いがどうしても免れられない。私の知り合いの比嘉春潮君などは珍しくそういう偏頗のない人だが、多くの人はみなその癖をもっていて、「何島だからねえ」というようなことをすぐいう。八重山とか宮古島とかいう、割に大きな島でも特殊扱いされていたのだから、もっと小さな離島は、かなり別扱いされていたに相違ない。終戦後は事情が変って、首里でも那覇でも、元来のその土地の人はおそらく半分以下になったらしく、政治界、実業界に国頭の人、宮古の人などが進出したときいている。もっとも昔から久米島などは地位が非常に良かったから、いくらか違っていたが、他の離島にいたっては、非常に低く見られる傾きがあった。それが私共が沖縄研究に奮起した原因と、隠れた動機だったともいえる。
沖縄に行って話した演題を「世界苦と孤島苦」としたのも、そんなわけからであった。