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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
「神戸新聞」神戸新聞社、1958(昭和33)年1月9日~9月14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 257,350 字 · 507 页
米の話と黒潮
ここではニジュウソといって十一月二十三日に祭っているのである。またその地域から近江付近にかけてはダイジョウ講という、同じ日の祭があって、穀霊信仰と祖霊信仰がいろいろに重なった名残りをみせている。
さてこのようにいくつかの例を取りあげてゆくと、新嘗と、ニジュウソ、大師講など、全国の二分の一以上を占める地域に残っている信仰との関連が考えられ、そこがことごとく米に関係していることが分る。
米の話と黒潮
われわれの問題で、ちょうどいま取りかかっていながら、まだ未解決なものが二、三ある。そのうちいちばん大きな問題は、日本人は何処から来たかということである。それに関連して、稲作がどこからどうなってきたかということも、また大きな問題になっているのである。
近ごろは騎馬民族渡来説のような意見まで出ているが、私は日本人の生活と切り離すことのできない稲の文化史を調べたら、あるいは日本人の起源がわかるのではないかという意見をもっている。
まず米の話については、今日のように文化史の側からも、自然科学の側からも、互に協力して研究してゆくようになったのは、西ヶ原農事試験場に四十年も顕微鏡を覗いておられた安藤広太郎さんの『日本古代稲作史雑考』