轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

「神戸新聞」神戸新聞社、1958(昭和33)年1月9日~9月14日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 257,350 字 · 507 页

青空文庫

『民間伝承』のこと

『民間伝承』のこと

私が直接干渉はしなかったが、同好の士の間にはいろいろの雑誌がつぎつぎと計画されて、出版されたが、中には横道にそれてしまったものも多かった。

昭和十年、私の六十一の還暦の折に、明治神宮外苑の日本青年館で民俗学の講習会を催し、その際、私のために祝宴会を開いてくれた。そうされてみるとこちらも黙っているというわけには行かないので、この成城の私宅で園遊会をしようという話を持ち出して、在京者よりも、地方の因縁のあった人たちを主にして約六十人ばかりを招いた。会の途中で、先生は来ないで下さいといって、日本間の方で何かこそこそ話をしていたが、そのうち代表者がやってきて、「いよいよ会を作って雑誌も出すことにします」という話になった。それが「民間伝承の会」のおこりで、発足は昭和十年の八月の初めであった。

民間伝承の会は、初め六年程の間はタブロイド判十六頁ばかりの機関誌を出していた。東京の委員が十人近く、大挙して活版所へ校正に行く。すると活版所は昔からの仕来りで、来た人には茶菓を出したり、時分どきには御飯をとったりする。たった十六頁の校正に十人近くも行って、応接間はすっかり占領するし、接待はしなければならぬので、とうとう活版所で閉口して、私のところに謝りに来るようなこともあった。