轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

「神戸新聞」神戸新聞社、1958(昭和33)年1月9日~9月14日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 257,350 字 · 507 页

青空文庫

小魚がついているためか、それをまた鰹などの大きな魚の群が後から後から追いかけている。何処にも漂着しないらしく、たしかにあの木にちがいないと思う流木を見かけるという話であるが、この話など、風と潮流の生んだ日本の海岸の一つのロマンスであろう。

こういう風や潮流に関係深い日本の平民生活の歴史を書くには、どうしても本島だけでなく、小さな島々、例えば鹿児島と奄美大島との間にある川辺十島などの小さな島のことも調べてみなければならない。

島とは名ばかりの、何にも生えない所で、人々は朝起きると必ず一ぺん島の周囲を見てまわるという所がある。親代々の一つの習性となって、朝毎に寄り物を探しているのである。たまには椰子の実などの流れついたこともあるらしく、琉球などでも貴重なものになっている。よほど遠くから来るのであろうが、ずっと北の、津軽海峡に流れついたことも記録に残っている。南の方では長崎県のある有名な漁港で、海底が浅くなって困ったことがある。よく調べてみると、どこからか珊瑚礁のかけらが潮で運ばれて来て、少しずつ溜って港を浅くしたことが解った。

たんにイナサという風の名だけをみても、関東や四国、九州、沖縄とで共通に用いられている。