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にっき

日記

宮本 百合子

14 一九二八年(昭和三年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,758 字 · 118 页

青空文庫

一月一日

一月二日

一月一日(日曜)

昨夜三時すぎに眠った故、起きるの辛く、やっとの思いで床を出た。朝日が出て、元旦らし。

橇にのってゆく。大使館のお祝へ。

モヤ、お雑煮がたのしみ故、どうしても行くと云って頑張り、且つ、起きぬけに餅をやく臭いがすると云ってさわいだ。大使館、大使、後藤新平一行その他、女の人達五六人居たが、外交官として随分質がわるく、けちに見えた。かえり、花を買う、シクラメン白(ニキーチナ夫人に)赤、自分達のために。ニキーチナ夫人のところで、「オクチャーブリ」の作者ヤコブレフ(プロレタリアート作家)に会う。かえったら、子供のための劇場、今日の約束の由、おどろいて行ったがおそく、途中でストローバヤ〔食堂〕により、スタニスラフスキー・スタディオに、オネェーギンを見る。

〔欄外に〕

スタニスラフスキーのオペラは、芝居とオペラとの調和が狙いどころの由、群集をリズム(音楽)に合わせて動かし、イタリーの無駄な遊びを整理しようとして居るところ、セッティングを、四本のコラムをどこまでも利用して居るところ、面白かった。試みを理解する愉快。完成の愉快ではなかった。

一月二日(月曜)