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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

また遠くの鏡やプリズムを廻転するには、物干竿を使っていた。そしてこの竹というものは実に便利なものだといっていた。人の使い方にまでこれと全く同じような趣旨があったのにも実は少々驚嘆した。それはマースデン博士が鉄の弧光の調整掛をつとめていたことである。ロイヅ博士のフラウンホーハー線の精密測定には鉄の弧光のスペクトルを標準に入れるのであるが、その弧光の番人がマースデン博士なのである。もっともこれはよく考えてみれば当然なのであって、鉄の弧光を使った経験のある人は誰でも承知のことであるが、あれ位厭なものもまた少いのである。肝心な時に何の予告もなくふっつりと消えることがある。皆既直前の一番大切な時にそのようなことの必ずないように万全の策を講ずるとすれば、結局最後は人の問題になるのは当然である。しかしこの当然のことを当然するところに隠れたる偉大さを認めねばならぬのである。弧光の番人は中学出の助手のすることとは限らぬのである。停電の場合の顧慮も勿論はかってあった。柵内の片隅には石油発電機が設けてあって、当日の午前中に運転試験を済ませて万一の場合に備えてあったことも用意の周到さを示す一つであろう。