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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

文学史上に残された吉村冬彦としての業績については自分らの能く論じ得るところではない。しかし、漱石同門の尊敬すべき文学者などの見解を借りてみても、先生の随筆は科学者の余技などとして見逃し得るものではない。今日わが国において随筆という形式の文学が全盛を極めていることは看過し得ざる一つの文化現象である。この現代の随筆を徳川時代の随筆と比較してみる時、その内容的ならびに形式的の進化に最も貢献した人を探すならば、何人も吉村冬彦の名を挙げるに躊躇しないであろう。英国文学におけるエッセイの地位まで、わが国の随筆を引き上げるためには、『藪柑子集』以来の三十年に近い先生の筆の力を必要としたのである。このような意味において、『冬彦集』以来の先生の随筆集は、漢詩の世界の中から日本語の詩を産み出した『藤村詩集』と同じような地位を、随筆文学の中に占めているものであろう。

約十年くらい前のことである。私は先生の書斎において、随筆に関する先生の見解を聞く機会を得たことがある。一国の「文化」が高まり、個人の教養が深くなるにつれて、文学は随筆の形式をとるようになる、あるいはもっと精確にいえば、随筆が文学のあるかなり重要な領域を占めるようになる。