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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
これらの小枝も山小屋の下見もおよそ露出している固体の表面はことごとく樹氷に包まれて、わずかに露出している黒い樹幹を除いては周囲は全くの白銀の世界で、ただ晴れた日の青空のみが鮮かな濃い色彩を与えているような所である。晴れる日は極めて稀れで、冬半年の間降雪のない日とてはほとんどないようである。雪が降り出すと四辺は色彩を失ってしまって、全く写真を見るような世界になってしまう。もっともこれは一般の吾々のような色彩に対する訓練のない者についていうことで、洋画家ならばきっとこの世界のみに見られる特異な色彩の諧調が感ぜられることであろうと思われる。もっとも柔かく積み重った新しい雪の中へストックを差し込んで穴を作ると、その内部がアクアマリンのような色を呈すること位は誰にも見られる現象である。この淡いながらに鮮かな色彩は札幌附近の雪にも見られないものである。これは多分積雪の中にも結晶がかなり完全な形に残っていて、非常に小さい結晶の面が沢山あるためによるものではないかと考えられる。
雪の結晶は驚くべく繊細な形をしていて、今までに見た写真のどれとも比較にならぬ位の美しさを見せていた。