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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

このようにして百葉箱を立てるにも、雪取りの煙突を建てるにも仕事は極めて楽である。この雪と水とのコンクリートは多分、土木学者が現在考え得る一番理想的なものであろうと思われる。もし武蔵野の火山灰を原料として、これに一杯の液体を注ぎかけると立派なコンクリートになるならば、東京市の道路の鋪装などは極めて楽であろう。

生中夏になって雪が溶けてしまうので問題は面倒になるのであるが、この冬の状態のままが続くものならば、土木や建築に関する概念などは全く変ってしまうことであろう。エスキモーの生活などというものも、全く吾々の経験から飛び離れた生活ではないものということが分ったような気がする。

このような場所での生活を永く続けたならば、自然に対する概念は勿論のことであるが、いわゆる人間の内的生活というものもすっかり変ってしまうことであろうと思われる。現在の吾々の文化が、気温が二十度下ると全く別のものになるであろうということは、当然のことではあるが、目の当り見るとまた別の感興が湧いてくるのである。(昭和十年二月『経済往来』)