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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

仕事場の机の上が乱雑であるということは決してリチャードソン先生の研究生活が奔放であるという意味ではない。自身の仕事は勿論門下生の研究でも少し目鼻が付いてくると、必ずきちんと纏めて発表させるような態度であった。それで教室から出る仕事の数は非常に多いのである。それらの論文は全部沢山の別刷をとって、そのつど必ず文字通りに世界中の著名な学者の所へ全部送り出されるのである。勿論そのような仕事は助手のR君がするのであって、プロフェッサーはあずからぬのであるが、その組織をちゃんと作り実行を怠らぬところにプラクチカルなリチャードソンの性格を見ることが出来るのである。沢山の数の論文の中には、第一義的の重要さを持たぬものも混ずるのは止むを得ないが、そのようなことに神経はあまり使わないようにみえた。五年か十年に一つずつ位非常に優れた研究だけを発表して、身を清く保つような流儀の学者も勿論英国にはあるが、それとリチャードソンの場合とを比較して見ると、それは優劣の問題ではなく、研究者の骨骼の問題である。何だか自分には不世出の天才を俟たなくてもノーベル賞を贏ち得られるということを示されたような気がするのである。