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あかくら

中谷宇吉郎集 第一巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页

青空文庫

漱石先生がただ一度あの地下室を訪ねられただけで、あの頃の研究室の生活をこれほどよく「体験」されたことはちょっと不思議な位である。このような地下室の実験室はこの頃は余り流行らないようで、どこの大学でも大抵の実験は普通のビルディング風な建物の立派な地上の部屋で平気でやれるようになったらしい。それと同時に野々宮さんの時代の懐しい研究の雰囲気も今では時勢におくれてしまったようである。

シュリーレン法というのは、光の通る媒質の屈折率の異る所を写真に写るようにする方法で、まあ丁度うまい日当りの時に陽炎が障子にうつって見えるようなわけである。それで弾丸が飛行する時には空気中に強い圧縮波や渦流が出来るので、それが写真に撮れるのである。光源には電気火花を使うので、その発光継続時間は百万分の一秒位だから、それ位の時間内では弾丸も気波も止って写るのである。漱石先生はその実験に大変興味を持たれて、「これを小説に書くが良いか」といわれたそうである。寺田先生が「私はかまいませんが、何分相手は殿様ですから少し困ります」と答えられたところ、「それでは何か他の話をしてくれ」ということになって、当時読んでおられた「光線の圧力」