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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
から遠ざけられていたのである。それで医師に勧められるまでもなく、私は大変喜んでこの南国の海の生活を十分に楽しみたいと思っていたのであった。
ここでは町の魚屋が、朝早く船から上った魚を真直に持ってきてくれるので、強い魚などは台所へきてもまだ盛んに口を動かしている位であった。それで魚屋によく頼んでおくと、いくらでも新鮮な珍しい魚が手に入るのであった。ここに移って初めての朝、まず温泉に浸ってそれからしばらく机に向っていると、魚屋が来ましたという知らせがあった。軽い好奇心からちょっと裏口へ出てみると、小さい盤台の上に色々な珍しい魚が一杯に並んでいた。それを見た時私は何よりもまずその色彩の美しさに思わず驚きの眼を見張ったのであった。この海で有名な室鰺の水から揚ったばかりの姿は初めて見たのであるが、力一杯張り切るように肥った皮膚が鮮緑色に輝いているのがいかにも美しかった。そして黒鯛とか鱸とかいう有りふれた魚までもここでは皆燦爛たる光彩を放っているのであった。その外色々な形も色彩も著しく異っている磯の雑魚が沢山並べられていた。それら雑魚達の名前と料理法とを一々魚屋から教わって、これから毎日その一つ一つの味を調べてみようということになった。