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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
魚屋の方も妙に乗気になって、「これはまだ召し上らない魚です」などといって妙な魚を持ってきてくれるようになったので、一月位したらこの海で獲れる磯の魚を一通り喰べてみたことになってしまった。
これらの雑魚は私に今まで持っていた魚の種類という概念をすっかり変えさせてくれた。魚の形といえば鯛のような形とか、鰯や鯖のような細長いものとかいう風に分類出来るものと思っていたのは大変な間違いであったことが分った。例えば鰺の一種でしま鰺というのは菱形であり、まとうの頭には化石年代の魚の面影があり、いとひきは五辺形の平板の形をしているのである。模様にもまたほとんど無限の変化があって、子供の絵のように勝手な所に勝手な色の斑痕をつけた魚があるかと思うと、全身が小紋縮緬で蔽われたようなものがおり、全く規則正しい縞模様の魚もあった。その縞にもまた水平なもの、垂直なもの、斜のもの、あるいは上から見ると丁度鷹の羽のように見えるものなどいくらでも種類があった。この最後のものには、たかっぱという名が付いているのも極めて簡明で面白かった。その上色彩がまた非常に豊富で、プリズムで分けたスペクトル光のように恐ろしく純粋な色があるかと思うと、西洋の古い名画のように思い切って燻んだ色彩のものもいた。