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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
しかしこの計画がもし実現していたら、大変なことであっただろう。そんな危険な状態を当時の人々が知らずにいて、今の吾々が知っているということはちょっと面白いことである。
気象学の知識がなかったことは、忽必烈にとって大変の失敗だったと同様に、時宗にとっても不幸なことであった。無理のない話であり、あるいは特に宣伝したのかもしれないが、いわゆる伊勢の神風という思想が、当時の人々の間によほど深く根差したと見えて、何かことがあると諸国の社寺でまず第一に、祈祷をするという傾向が出はじめてきたのである。今からでは想像すら出来ぬ位であるが、何でも祈祷の費用で北条氏滅亡の端を発したといえないこともないようである。「その費は遠く築塁繕甲の資に超え」といってある位である。
わずかばかりの自然科学の知識がなかったばかりに、不世出の英雄が、二人まで同時に致命的の傷手をうけたということは、よほど珍しい例であるかも知れない。
(大正十四年十二月『理学部会誌』)