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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第一巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤倉、英国日食班の印象、寒月の「首縊りの力学」その他、球皮事件、「光線の圧力」の話、御殿の生活、雑魚図譜、雑記、霜柱と白粉の話、十二花の雪、スポーツの科学、先生を囲る話、「先生を囲る話」について、続先生を囲る話、寅彦夏話、冬彦夜話、文化史上の寺田寅彦先生、雪の化石1、雪の話、リチャードソン。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 223 页
もっともこんなことを仰々しく並べ立てても、地下の先生にニヤニヤされるだけかも知れない。何か外にもっと深い意味があるのですかと聞いてみたら、きっと昔先生に五月蠅く根掘り葉掘り何かをきいた時のように、「今に分るよ」といわれることだろう。
卒業後M君は霜柱の研究を始め、私も同じく先生の下で火花の研究を続けることになって二年ばかり一緒に暮した。M君は実験室の前の廊下の片隅に冷蔵庫を据えつけて、学校へくるとその中で水晶の粉で作った「土」から霜柱を生やすことに専念していた。そしてその年の冬には学校の工事場から荒土を一杯車に積み込んで自分の家の庭へ運び、霜柱の苗圃を作って、その中で出来る天然の霜柱の観測をしていた。いかにも立派な花壇のように見えるので、よく何を御作りですかと聞かれたそうである。そして霜柱を生やすのですと答えると、大抵の人は妙な顔をしたという話である。霜柱は夜の中に生長するので、その生長の過程の写真を撮るためには夜中に何度も起きねばならぬことは勿論である。新婚の美しいM夫人が夜中の二時頃起されて、星月夜の庭でフラッシュを焚かされたことも勿論であった。