轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

「小説公園」六興出版社、1950(昭和25)年新春号~1952(昭和27)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 页

青空文庫

「あ。そうでしたか。では、ともかくその辺まで、ご一緒に出かけましょう」

と、さりげなく、桔梗の部屋を先に出た。

将門、将平のふたりが、館の表の、家人部屋の廊のあたりまで出て来ると、もうそこらの家僕や女たちの跫音が、いつものようでなかった。

「何を騒いでいるのか」

将門が、郎党のひとりを、叱ると、

「いえ、郷の者が、騒ぐので。そして、それを聞いた女奴や下僕どもが、あらぬ事を、口走るものですから」

「あらぬ事とは?」

「今朝、豊田を通ってゆく旅人が――豊田は何と暢んびりしておるわい。今にも、常陸勢や筑波勢が、こっちへ来るのも知らぬ気に――と、あきれ顔に、この辺を、笑って通ったとか申します」

四郎将平は、それを聞くと、

「それ、ごらんなさい。旅人や百姓まで、もう聞き伝えているでしょう。――察するところ、羽鳥の叔父は、昨夜のうちに、筑波を発し、水守の兵を合せて、この豊田へさして急いでいるにちがいない」

「いやだなあ、売り喧嘩か」

「兄者人! 備えてください」

「四郎」

「はいっ」

「何とか、交わす法はないか。戦わずに」

「ば、ばかな事を仰っしゃって。――それなら、豊田を捨てて逃げるしかありません」