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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

「小説公園」六興出版社、1950(昭和25)年新春号~1952(昭和27)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 232,193 字 · 463 页

青空文庫

れる。

大串や石田ノ庄の豪家の邸は、これまでの戦いで、ほとんど、瓦礫と化し去っている。将門は、大宝八幡の社家を宿営とし、さて、新年宴会をかねた戦捷祝賀の大饗には、

「ひとつ、常総の諸氏が、あっと驚くように、盛大にやろうではないか」

と、彼らしい豪放さで、左右の者に計った。そして、彼の弟たちを始め、帷幕の興世王、玄明、不死人などの輩も、

「――新たに東八ヵ国を、お館の一手に、掌管し給う政令始めの祝典でもありまする。坂東八州の人民に、こくごとく、業を休ませ、貧しき者には、あまねく施し、富みたる者には、五穀を献じさせ、万民楽土のすがたを、眼にも見せるように、未曾有の祭典を営ませましょう」

と、各※(二の字点、1-2-22)、奉行を承って、その準備にとりかかった。

夜神楽、朝神楽

準備には、おそらく、十数日を要したにちがいない。何しろ、凱旋早々、軍旅をここに駐めて、挙行したことでもあるから。

で。その日は、天慶三年の一月も、半旬を過ぎていたのではあるまいか。

とにかく、布令は、新領下の八ヵ国に、早馬を継いで、公達された。

伝え聞いた諸郡の人々は、

「相馬殿の御威勢を以て、どんな大祭典をやるのか」