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しのげんり

詩の原理

萩原 朔太郎

「詩の原理」第一書房 、1928(昭和3)年12月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 153,641 字 · 305 页

青空文庫

その他ボードレエルはカトリックの求道者で、同時に異端的な哲学者であり、ヴェルハーレン、ホイットマンは、一種の社会的志士であった。そして鬼才詩人ランボーは、僅かに三年間ほど文壇に居り、少数の立派な詩を書いた後で、直に彗星のように消えてしまった。なぜなら彼は、阿弗利加の沙漠の中で、より詩的な生活を行為しようと思ったから。彼は言った。「詩なんか書く奴はくだらない」「真の詩人は詩を作らない」と。丁度我が石川啄木が、自分で詩人であることを自嘲しつつ、生涯慰められないで詩を書いていた。

されば「詩人」と言う言葉は、それ自ら「生活者」と言う意味に外ならない。彼等の実に尋ねているのは、芸術でなくして生活であり、真に心の渇きを充たすべき、イデヤの世界の実現である。あらゆるすべての詩人は、彼の歓楽の酒盃の中に、もしくは理想的社会の実現される夢の中に、生活のクライマックスを賭して死のうとしている。それ故に彼等は革命家であり、志士であり、デカダンであり、ニヒリストであり、旅行家であり、哲学者であるのだ。人生とは! 人生とは詩人にとって何でもない。ただ「詩が実現されることの夢」