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けんのよんくんし
剣の四君子・日本名婦伝
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《剣の四君子・日本名婦伝(けんのよんくんし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 150,635 字 · 306 頁
二
仔細あって、その折、私は先生のあの地摺り青眼を破ったあざやかな御神技を見ていたものに過ぎません」
「地摺り青眼? おぬしもそんな囈言をいうか。世に地摺り青眼などという構えはありはしない」
「お待ちください。是非の論を伺いたいのでもありません。私はただあれ以来一意懸命に、あなた程な神技の持主に打勝ってみたいことのみに潜心して来たものです。どうか、一太刀お仕合ください」
「止めよ、止めよ」
一刀斎は、わからぬ子を諭すようにかぶりを振って云った。
「たいして益にもなるまい。のみならず、おぬしのような若者をしばしば片輪者にするのが嫌でのう。努めて仕合は断わっている。駄々を捏ねずに帰んなさい」
うしろを見せた。冷えた濡れ手拭のごとくその背は冷然と見える。
「待てっ。道の修行に生死なしッ。それがしを辱めるかっ」
典膳は跳びかかった。まさに獅子咬典膳の異名をすがたに現わしたといっていい。
抜打ちに、弥五郎の背へ。
蚊ばしらを斬った白刃が、どすっと、大土間の入口の柱へ喰いこんでいた。そして典膳の獅子にも似た体は、そこから九尺も外の大地へ背を打って転んでいた。
「ちいッ」と、跳ね起きた手はすぐ土間口の柱から刀を抜き取って、一刀斎のすがたを、