輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
けんのよんくんし
剣の四君子・日本名婦伝
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《剣の四君子・日本名婦伝(けんのよんくんし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 150,635 字 · 306 頁
四
十六、七日の頃には、もう中河内の平野には、その前哨戦が旺となった。
こえて二十一日の夜半。
前線にあった河内守正行と、弟大和守正時とは、東条の本城へ一度引揚げて来た様子である。
牛頭山医王院の大伽藍では、正行、正時を中心として、一族の楠木将監、和田新発意、舎弟新兵衛、同紀六左衛門の子ら、野田四郎とその子ら、関地良円などが、翌日も、翌々日も、軍議であった。
正行、正時の弟、三男の正儀も端にいた。
朝廷の親衛軍、興良親王の御陣地や、四条隆資のほうへも、いちいち軍議が報じられ、また、御意見をうかがい、使者が走るという有様だった。
「はて。どこにも見えぬ」
蔵六は、こういう折こそ、捕虜のわが子をさがす屈強な時であると思って、出入りする将兵の顔は勿論、小者や百姓たちの屯、またはどこか幽閉されていそうな牢舎、穀倉、薪小屋までさがしたが、わが子とは限らず、捕虜らしい者は見えなかった。
そのうち城内の混雑はいよいよ加わり、天王寺や八尾あたりに布陣していた人数も、一度皆、引揚げて来た。
するとまた、その人数の大部分、およそ二千余騎の兵が、一様に城寨から出払って、急に、東条、龍泉寺、赤坂の一帯が、人まばらになったのを見た朝のことである。