輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
けんのよんくんし
剣の四君子・日本名婦伝
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《剣の四君子・日本名婦伝(けんのよんくんし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 150,635 字 · 306 頁
三
「宗矩の心得ちがいでございました。おゆるし下さいまし」
「家康公の御書面を託されて参ったからには、そちは取りも直さず徳川家の使臣ではないか。なぜ、家臣どもにもてなされて、わが家へでも帰ったように嬉々とするか。また、石舟斎のまえに来て、大地になど手をつくか。――主命の何たるものかすら忘れ果てるなど、言語道断」
「……はいっ」
「立て。――あらためて、徳川殿のお使いとして迎えよう。ここは庭口ではあるが、石舟斎が隠居所、略儀はおゆるしあって、お通りください」
老父は、手ずから、左右の門をひらいて、わが子の使者を、座敷に迎え入れた。
三
家康からの内書には、上方の急変を告げてあった。それについて、柳生家もこの際できるかぎりの、兵員を至急ととのえ、関東軍の出向うまでに、その戦場へ駈けつけて合力するように――とのことだった。
石舟斎は、読み終って、
「内書のお旨、慥と承知いたしました」
と、宗矩に答えてから、
「御苦労であった。お使いはこれで達した。そなたもお役を果した上は、ゆるゆる旅装を解き、皆の者とも会って来たがよかろう」
と、初めて彼を犒った。
その夜、石舟斎は、一族や家臣を呼びあつめて、家康の内書を披露した。