輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

けんのよんくんし

剣の四君子・日本名婦伝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《剣の四君子・日本名婦伝(けんのよんくんし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 150,635 字 · 306 頁

青空文庫

不覚とは思いません。新介は、最後まで戦いました。恥ともいたしません。勝敗は兵家の常です。一生は今日だけのものではありませんから。

むしろ私はこの天命を奉じて歓びさえ覚えています。生れて十六年、不孝のみ重ねてきたこの病骨が、今こそ幾分のお役に立つかと存ぜられます。新介はすでに討死なしたるものと思し召され、この身を筒井家の質となし、即刻、和議をお講じ下さい。

祖廟の地こそ、病骨の子ひとりよりは、大事な筈です。忠勇な家士の面々こそ、私一人などには代えられない柳生家の石垣かと考えられます。

どうぞ御善処ありますように。

さもあらばあれ新介もまた、自ら生きゆく道を選んでゆくでしょう。御膝下を離れてむしろ今、人となる道を訓えられ、また、御両親様の大愛の一しお身に迫るものを新たに覚えておりまする。では呉々も、御自重のほどを。

筒井城内の短檠一穂の下にて誌

新介拝

父うえ様

「…………」

家厳は落涙がとまらなかった。玉砕を潔しとして主張していた一徹な愚かさを、日ごろ病弱あつかいにしていた子から訓えられて、背に百杖を下された心地に打たれた。

「そうだ。云うが如く、善処いたそう。