Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
この頃、苗木の城中では、客将組が集まって(浪人組とも云っていたが)百物語が行われていた。
その夜も彼らは天守に集まり、百物語を行っていた。
すると鏈鎌の名人として、客将の間に名を知られた飛鳥左近吾という大兵の男が、四辺をジロリと見廻わしながら、
「どうじゃな各自、中津川の城下で、近頃こういう噂があるが、耳にしたことがござるかな? それは他でもござらぬが、三匹の狐が夜な夜な現われ、化け比べをするということじゃ、面白いことにはその狐ども、みんな綽名を持ってござる。小手抜小女郎、公孫樹のお夏、それから法蔵寺どじ兵衛とな……名は体を現わすと云うが、そのどじ兵衛という狐、どじなことばかりするそうじゃ。百物語もよいけれど時には本物の狐狸を相手に胆試しをするのも一興じゃ。出て行こうではござらぬかな!」
それを聞くや否や客将輩は、総立ちのように立ち上がった。そして口々に云うのであった。
「今夜聞くのが初耳じゃ。小手抜小女郎とかいう狐、いっそ美女にでも化けるのであろう。この城中へ捉らえて来て酒の相手をさせてやろう」
「そのどじ兵衛とかいう狐、どのようにどじな真似をするか某参って試して見よう」