Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
臨終の妄執五百生
死んでくだされ、さあ死んでくだされ、この鎌で死んでくださりませ!」
吹きまいていた夜嵐がふとこの時途絶えた。その後から雨が落として来た。その雨にしとどに濡れながら二人はいつまでも立っていた。
臨終の妄執五百生
剛腹残虐の男に限ってかえって弟とか妹とか、そういう弱い肉親の者を人一倍愛するものであったが、紋十郎もその一人であった。
袂を取られ鎌をつきつけられ妹に自殺を勧められて彼はすっかり途方にくれた。もちろん自殺しようなどとは彼は夢にも思わなかった。しかしお吉を振り切って島君の後を追いかけることも彼には今は出来なかった。
で彼はともかく瞞して見ようと決心した。
「お吉」と彼は優しい声で、「まあそう急かずともよいではないか。誰が云ったか知らないが何んのこの俺が謀反などしようぞ。無益な疑い晴らすがよい」
「この期になっても兄さんは偽り云うのでござんすか。もうその手には乗りませぬ! さあこの鎌で死んでくだされ」
「それほど云うなら謀反の証拠をお前掴んでいるのであろうな?」
「いいえ証拠はござんせぬが右衛門さんが申したからにはよもや嘘ではございますまい」
「告げ口したのは右衛門か、おおかたそうとは思っていたが、そうと聞いてはあの右衛門いよいよ生かしては置かれぬわい」