Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「怪しいものだ。信じられないな」
土彦はいかにも残念そうに、
「いえいえ使えるのでございますよ」
すると米主は揶揄的に、
「では証拠を見せてくれ」
「ようございます。いと易いことで」
土彦は玉を額へあてた。それから何やら念じ出した。ひどく厳かな声であった。
と不思議にも土彦の姿が、次第次第に大きくなった。ずんずん身長が延びて行った。やがて洞穴の天井へつかえた。三丈余りも延びたのであった。
「いかがでござる米主殿、これでもご合点出来ませぬかな」
天井から土彦の声がした。雷霆のような声であった。
「見事見事」と米主が云った。
すると一瞬間真っ暗になった。ふたたび洞内が明るくなった時には、土彦の体は元のままの、貧弱な老人に返っていた。
「ヘッヘッヘッヘッこんなもので」
得意そうにせせら笑った。(前編終り)
作者より 「蔦葛木曽棧」は足掛け五年書きました。作者いささか疲労れてしまいました。しかも全体の構想から云えば、三分の一にも達しませんが、疲労れた心を無理に強いて、書き続けて行ったと致しましたら、恐らくよい結果は産まれますまい。読者には申し訳ありませんが、ここに一時中絶し、いずれそのうち機会を見て、中編後編を書きつづけましょう。