Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
一一
銭をッ」
「おうッ」
三方から斬りかかるのを引っ外して、平次の手が懐中に入ると、久し振りの投げ銭。闇を劈って一枚、二枚、三枚、ヒュッ、ヒュッと飛びます。
「あッ」
一番先に匕首を叩き落された勘次は、ガラッ八の糞力にひしがれて、蛙のようにへたばりました。
続く一枚は番頭の額を劈き、最後の一枚は井崎八郎の拳を打ちます。
この闇試合は真に一瞬のうちに片付きました。幸い手に立つほどの者がなかった所為もあるでしょうが、春木屋の裏口から灯と人とが溢れ出た時は、平次の十手は二人の得物を叩き落して、後ろ手に犇々と縛り上げていた時だったのです。
番頭風の男というのは、言うまでもなく支配人の源助、穴の中で見つけた手紙も、この男が書いてお兼のお類に渡したに相違ありませんが、平次はそれと感づきながら、わざと仮名を書かせて、窮屈そうに手筋を変えて書く源助の様子を観察したのでした。
一一
曲者は四人まで縛られました。仔細というのは、源助が若い時分に関係した女、――今では、女巾着切りの強か者になっているお兼に迫られ、その手切金の調達に窮して、主人が清養寺へ寄進する三千両の大金を狙うことになったのです。