Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
俺はお上の御用を聞いている平次という者だが、お前さんには徳蔵稲荷の仁三郎殺しの疑いがかかっている、変なことをしちゃかえって為にならねえ、黙って主人に取次いで、どうして鈴を集めたか、仔細を話して明り(証)を立てなきゃア、どんな事になるか判らないぜ」
平次の態度には、商売柄にも似ぬ、噛んで含めるようなもの優しさがありました。娘はハッと顔を伏せましたが、思い定めた様子で、
「しばらくお待ち下さいまし」
静かに奥へ消えます。
やがて通されたのは、さまで広くはありませんが、妙に小綺麗に片付いた寮の奥座敷、待つ間もなく、
「お待たせいたしました。銭形の親分さんだそうで、ちょうどいい方にお目にかかりました。私は大川屋の配偶で、米と申します」
敷居際で静かに挨拶したのは、最早名妓といった俤はありませんが、いかにも洗練された美しい女房振りです。
「面倒な駆引は抜きにして、早速承りますが、手前どもの八五郎という男――鈴売りに身をやつして参ったはずでございますが、彼はどうなりました」
平次の調子は、平淡なうちにも一歩も仮借せぬ厳しさがありました。
「ハ、ハイ、あの方は、身分をおっしゃいませんので、全く敵の廻し者と思い込み、しばらくこの寮へ留まって頂きました」