Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
「私にも解らないが、――いずれは仏様を仏様と思わない人間のすることだろう。朝夕念仏の一つも称えるものに、あんな罰当りなことが出来るわけはない」
蓼斎はそう言って、思い出したように数珠を爪繰るのでした。
「仏様を仏様と思わない人間?」
平次はまた深々と考え込みます。
その翌る日、平次は下谷の佐野屋正兵衛を訪ねてみる気になりました。一つは、お染が執念深く佐野屋の勧誘を受けて、断り切れそうもなくなっているので、平次はその代理に、はっきりお染の意志を伝えて、七年越し自分を捜してくれた父の百松と一緒に、川越の在所に帰るより外に望みのないことを言う心算だったのです。
大名の下屋敷ほどある佐野屋の豪勢な屋敷を訪ねた平次は、五六人の盛装を凝らした女中に、次々と案内されて、思いも寄らぬ奥の一間に通されました。
正面に燦爛として輝くのは、二間ほどの大仏壇で、その前に端座して、何やらゴツゴツやっているのは、主人の正兵衛でした。ややしばらく待っていると、勤行を終った正兵衛は、水晶の念珠を袂に納めて、静かにこっちへ向き直りました。
「銭形の親分、とんだお待たせしました」
「いえ、どう致しまして、あっしこそとんだ邪魔で――」