Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

て、根岸の寮に置き、専ら身体の弱い富太郎の養生をさせておりました。

友二郎は四十年配、先代の実弟で、まことによく出来た人間ですが、なにぶん店の方が忙しいので、滅多に寮を見舞っている暇もありません。それでも、三日に一度、七日に一度ずつは、泊りがけにやって来て、姪のお雛の美しく生い立つのと病弱な富太郎が、少しずつでも丈夫になるのを見て帰りました。

お雛には先代が取り決めた重三という許嫁があります。これは遠縁の者で、奉公人同様店で働いておりますが、お雛より八つ年上の二十五で、もう愚図愚図してはいられないのですが、なにぶんお雛がまだ若いのと、母親が死んで一年も経たないので、祝言の盃をするわけにもいきません。しかし、根岸の寮は無人なので、叔父の友二郎に差支えのある時はなるべく行って泊ることにしております。

女のようにもの優しい働き者で、お雛の叔父の友次郎にも信用があり、ことにお雛の弟の富太郎は、重三でなければ夜も日も明けないような騒ぎをしますが、なにぶん店の方が忙しいので、毎晩根岸までいってやるわけにもいきません。

お雛は娘らしい恥ずかしさのせいか、重三とはろくに口もききませんが、いずれ母の忌が明けさえすれば、改めて祝言をさした上、別に小さい世帯でも持たせることになっておりますから、嫌いというほどではなく、従って