Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.455 Zeichen · 290 Bildschirme
銭形平次捕物控
一
一
「銭形の親分さん、お助けを願います」
柳原土手、子分の八五郎と二人、無駄を言いながら家路を急ぐ平次の袖へ、いきなり飛付いた者があります。
「何だ何だ」
後ろから差し覗くガラッ八。
「どこか斬られなかったでしょうか、いきなり後ろからバサリとやられましたが――」
遠灯に透かせば、二十七八の、芸人とも、若い宗匠とも見える一風変った人物。後ろ向きになると、絽の羽織は貝殻骨のあたりから、帯の結びっ玉のあたりへかけて、真一文字に斬り下げられ、大きく開いた口の中から、これも少し裂かれた単衣が見えるのでした。
「大丈夫、紙一枚というところで助かったよ。ひどいことをする奴があるものだね。辻斬にしちゃ不手際だが――」
平次はさすがに、斬り口の曲った工合から、刃先の狂いを見て取りました。
「辻斬なら仔細はございませんが、――この間から、時々こんなことがありますので、油断がなりません」
男は真夏の夜のねっとり汗ばむ陽気にも拘わらず、ぞっとした様子で肩を顫わせました。町の灯の方へ向くと、青白い弱々しい顔立ちで、色恋の沙汰でもなければ、命を狙われそうな柄ではありません。
「そいつは物騒だ。