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Japanische Klassiker mit Furigana

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たいらのまさかど

平の将門

吉川 英治

Lesen Sie 平の将門 (たいらのまさかど) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 232.193 Zeichen · 463 Bildschirme

Aozora Bunko

四方の小地主や地侍は、招かずして、豊田の門に馬を繋ぎに来、そろそろ、将門の耳には、甘い世辞や、彼をもちあげる阿りが、集まりかけているのである。

しかし、すぐいい気になる彼でもない。彼は、それらの者のおだてには乗るまいとして、

(いや、とても、おれは父の良持どのには、似もつかない、不肖の子だ。おれはおれの馬鹿をよく知っているのさ。けれど、正直者が虐げられて、悪智恵のある奴が、威張りちらしたり、巨富を積んで、ぜいたくするのを、免してはおけないからな。そういう勢力とは、戦うよ。あくまで戦って、坂東の天地を、ほんとの平和にして、住もうじゃないか。それだけの事さ、おれのたてまえは)

と、誰にも一様にいうのである。しかし、その単純で開け放しな人がらが、かえって、魅力でもあるように、四隣の客は、よけいに絶えない。

そうした四隣の客はまた、かならず、豊田の館の内部から、領下一般の勤勉と和楽が稔らせている繁昌を見て帰った。

養蚕も農作も、水産も林業も、この地方の進歩はじつに目ざましい。市は諸方に立ち、交通もよくなり、農家の一つ一つを覗いても、飢えているような顔はない。