Japanische Klassiker mit Furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lesen Sie 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 335.908 Zeichen · 669 Bildschirme
「兵糧だって多かろう」
「兵糧だけじゃ戦は出来ねえ」
「義仲以来の名門だ。木曽家には味方も多かろう」
「四面敵でございますよ」
「忠臣義士だってある筈だ」
「みな裏切ってしまいました」
「なに裏切った? そりゃ本当か?」
「木曽家の謀士花村甚五衛門はとうに退去してしまいました」
「そりゃあ聞かずとも知っている」
「洞院左膳も謀反しました」
「うん、それも知っている」
「後に残った家来のうち、骨のありそうな人間は、一人去り二人去り、みんな立ち去ったということで」
「そうは云っても木曽は大領、千や二千の兵はあろう」
「そりゃあ集めればありましょうが、いずれ烏合の衆ばかりで」
「俺らだって烏合の衆だ」
「木曽の奴らよりゃあマシですぜ」
「そんなに彼奴らは弱いのか」
「家来の大半は女だそうで」
「そんなに女が多いのか」
「後宮の佳麗三千人で」
「馬鹿、そいつあ阿房宮の賦だ」
「だから阿呆でございますよ」
「厭な野郎だな、洒落を云っていやがる。……ところで美人も多かろうな」
「素敵な別嬪がいるそうで」
「義明め、好色漢と見える」
「ちょうど天丸の頭のようで」
「えい、こん畜生、つまらねえ事を云うな!」
「ウッフフ、云いすぎたかな」